livingroom diary

愛されるアラカンをめざしてw

丸元淑生の料理本

2018-3-27の日記(ブログ)より転載、推敲

丸元さんはもう亡くなられて10数年経っていると思う。もともとは作家なので、料理本や栄養関係のエッセイなども雄弁な感じだ。今にして思えばマニアックな、ある意味本当に料理を「研究」する「料理研究家」だったのではないかと思う。


首都圏住まいで、この人の主張に感化された人ならば築地場外市場へ行って、利尻昆布だの、コウナゴだの鰹本節と削り器を買い、ビタクラフトの鍋やエレクトロラックスの冷蔵庫や家電に憧れたのではなかろうか。私も2回くらい行った事がある。


さすがに削り器は買わなかったし(でも迷った)、冷凍保存に最適と薦めていたエレクトロラックスの冷凍庫もとうとう買えなかったが、ビタクラフトの鍋だけはビビりながら割引セールで買い、数年後もう一つ買い足した。10年保証がウリ文句だったが、10年どころか25年使っても、持ち手が緩むこともなく頑丈そのもの。何より、どういうわけか野菜などの火の通りが速く、汁物をたくさん作る時も、わざわざビタクラフトで野菜を煮ておいて、後で大きい鍋に移し替えたりしている。


今見るとちょっとマニアックだ。氏が当初手本としたのは、海外の栄養の本、それに基づいたレシピ集だったようで、それを参考に考案したレシピに肉料理はほとんど出て来ないので、ヴィーガンのレシピだったのだろうか。全粒粉小麦粉、そば粉、レンズ豆、ギー(ヤギの脂)、厚く切った牛レバーとかが出てくるが、そんなもの近所のスーパーには売ってない 笑


それと、築地場外で大量に仕入れた、昆布、小女子のほか、魚を仕入れて捌いたりするので、完全に普通のレシピ本とは異なっているw


ある部分「粗食のすすめ」で知られて今も活動されている、幕内秀夫さんの主張と通じなくもない。私、幕内さんの主張も基本的に好きで「いい栄養を摂る事がほんとうは贅沢」的な話についつい引っ張られます。ただ普通にお菓子も揚げ物も肉も食べてますけど。


丸元さんの本は、上の写真だと一番下のが新しいのですが、それまでの


「築地でまとめて仕入れれば安い!小分けにして冷凍しておけば問題ない。ただし冷凍庫は日本のやつじゃダメ!」
「日本の家庭料理がダメになったのは、主婦が鰹節削りを使わなくなったから!」
「肉は牛レバーの厚切りに限るが、これは青山紀伊国屋へ行けば買える!」


みたいな主張を少し変えて、ご本人が大磯だったか、神奈川の漁港へすぐ行けるところに住まいを移されてから、レシピに使用する材料なども柔軟に、近場で手に入るようなものが増え、日本の郷土料理の紹介なども載るようになった。
相変わらず、綺麗なオールカラーのレシピ本の中で、半分も作った事がなかったけど。


今思うと、何が面白くて買って読んでいたんだろう、と思うのだが、料理番組などで手順を紹介するだけのものより、普段食べているものより、もっと美味しく体にいいものがあるとか、栄養というのはそもそも何なのか教えてもらったような感じなのだろうか。


と、断捨離カテゴリに入れているのは、もう古本屋にもっていくつもりだったからで、昨年からちょっと中断している断捨離だが、そろそろ準備しなければと思った、という事で。



たぶん、ここにまとめてレシピ本を送ることになりそうなんですが、上の写真の2冊もこの「暮しの設計」シリーズで、ほんとこのシリーズ意欲的で面白いです。あれもこれも見てみたい本がいっぱい。だがそんな時間はない。